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IEEE 802.11ahの細かいはなし

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規格 技術解説

2014年に「無線規格の仕様書を読んでみる」というブログタイトルでIEEE 802.11ahを取り上げたことがありますが、もう8年も昔の話となりました。IEEE 802.11ahは2016年に正式仕様がリリースされ、サイレックスでもこの無線規格に対応した無線LANモジュール「SX-NEWAH」を2019年に北米で先行発売しました。

日本でも2022年9月5日、総務省より「無線設備規則の一部を改正する省令(令和4年総務省令第60号)」が公布・告示されたことで、920MHz帯のIEEE 802.11ahが国内で利用可能となり、私たちの生活を支える新たなIoT基盤としての活用がいよいよスタートしました。

今回は実際に製品開発に携わった視点から、IEEE802.11ahの技術的詳細について解説します。

IEEE 802.11ahについて

前述の記事でも紹介しましたが、IEEE 802.11ahは「900MHz帯を使うWi-Fiのバリエーション」です。基本動作原理はWi-Fiから継承していますが、900MHz帯域に合わせて基本チャネル幅が20MHzから1MHzに減らされています。PHY仕様は変調間隔36μ秒(GI=4μ秒)ないし40μ秒(GI=8μ秒)、サブキャリア間隔は31.25KHzで1MHz幅で24本、2MHz幅で52本、4MHz幅で108本のデータサブキャリアを使い、データレートは1MHz幅のときMCS10(BPSKx1/2FECxrep2) 150Kbps~MCS9(256QAMx5/6FEC) 4Mbpsです。
 

ちなみに弊社製品のSX-NEWAHは帯域幅1・2・4MHzでMCS7(64QAM)まで対応しており、カタログ上の最大データレートは15Mbps(4MHz, Short GI, MCS7)になります。送信出力は北米FCC規格で23dBm(200mW)を出すことができ、オープン距離で約2.6Km・障害物を挟んでも500m以上の通信距離を実測しています(後述)。

なお、Wi-Fi Alliance®によるIEEE 802.11ahの公式な愛称は「Wi-Fi HaLow™」(ヘイローと発音)とされていますが、IEEE 802.11の枠内では"S1G(Sub 1 GHz)"とされており、技術文書の中では"HaLow"や"11ah"よりも"S1G"と称されることが多いようです。



続きは、保管にも便利なPDFにまとめました。是非、下記よりダウンロードしてご覧ください。

ホワイトペーパー: 「IEEE 802.11ahの細かいはなし」

目次:

  • IEEE 802.11ahについて
  • S1Gのチャネル番号について
  • S1Gビーコンについて
  • S1G TIMについて
  • ページスライス
  • TWTとNon-TIM mode
  • リレー機能
  • PV1フレーム
  • IEEE 802.11ahの実力
  • IEEE 802.11ahと電波法

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