
建設・農業
建設機械・農業機械の遠隔操作や自動運転の実現が進む一方、現場では安定した通信環境の確保が大きな課題です。特に、広範囲での通信と長距離接続を可能にする無線インフラは、作業の安全性向上、生産性の最適化、労働環境の改善を支える重要な要素です。
遠隔操作を支える安定した通信インフラ
建設機械・農業機械の遠隔操作や自動運転を実現するには、途切れない無線通信が欠かせません。サイレックスの屋外向けWi-Fi ソリューションは、広範囲通信と低遅延を実現し、現場の通信課題を解決します。
長年培った「切れない無線」の技術とノウハウを活かし、サイレックスは過酷な屋外環境でも高い信頼性をもつ無線ソリューションを提供します。建設現場や農業現場の無線通信環境をシンプルに構築し、安定性・信頼性・拡張性を提供します。
サイレックスの屋外向けWi-Fiソリューション
屋外向け Wi-Fiメッシュアクセスポイント「OAP-100AX」
設置現場に安定した通信環境を提供するアクセスポイント(親機)です。
- 広域カバレッジを実現する独自メッシュ技術「AMC Mesh」
- サイレックス独自メッシュネットワーク「AMC Mesh」機能により、アクセスポイント間の接続状態を常に監視し、定期的にスキャンし、より最適な通信ルートを選択します。
- 通信経路の切替(ローミング)はスムーズに行われ、安定した広範囲通信が可能です。
- アクセスポイント間は、データを無線で伝送するため、LAN ケーブル敷設は不要です。敷設工事にかかるコストを削減します。
- 冗長化通信技術で、通信が途切れない(特許申請中)
- 通常は5GHz帯を使用しながら、2.4GHz帯と5GHz帯を同時に利用することで、5GHz帯無線LANの業務運用で課題となっているDFS(Dynamic Frequency Selection)対応の周波数帯を確保します。
- DFS検知による通信停止のリスクを軽減し、常に安定した通信を実現します。
- 過酷な環境でも安心のIP65防塵防水仕様
- 屋外の厳しい環境でも使用できる耐環境性を備えています。
- 屋外の厳しい環境でも使用できる耐環境性を備えています。
- Wi-Fi 6に準拠
- 高速通信と多台数接続に対応した通信環境を提供します。
屋外向けワイヤレスブリッジ「OBR-100AX」
移動する建機に搭載する子機として、途切れない通信をサポートします。建機に搭載された LAN 対応の制御装置やカメラ映像を無線伝送します。
- 途切れない通信を実現するローミング機能
- 移動中の建機でも通信が途切れることなく、スムーズな接続切替(ローミング)が可能です。
- 移動中の建機でも通信が途切れることなく、スムーズな接続切替(ローミング)が可能です。
- セパレートアンテナ設計で、移動通信に最適化
- 建機の動きに合わせて、最適なアンテナ配置が可能。通信品質を向上します。
- 建機の動きに合わせて、最適なアンテナ配置が可能。通信品質を向上します。
- 過酷な環境でも安心のIP65防塵防水仕様
- 雨や粉塵が多い現場でも安定した通信が維持できます。
- 雨や粉塵が多い現場でも安定した通信が維持できます。
- Wi-Fi 6に準拠
屋外向けアクセスポイント設置ガイドアプリ「AMC Mesh Builder」
簡単に無線空間を構築できるスマートフォンアプリです。QRコードを活用した機器設定や通信検査機能を備え、誰でも迅速に通信環境を構築可能です。
- QRコードを活用した簡単設定
- 機器の設定がQRコードを読み取るだけで完了します。
- 機器の設定がQRコードを読み取るだけで完了します。
- 通信検査機能付きで、設置後のチェックも簡単
- 設置後に通信状況を確認し、無線環境を最適化できます。
- 設置後に通信状況を確認し、無線環境を最適化できます。
- 対応OSはAndroid
- 誰でも迅速に通信環境を構築でき、導入のハードルを下げます。
活用例
建機の遠隔操作
災害現場などでの建機のオペレーターは、現場から離れた安全な場所で操作を行い、危険を回避することができます。
建機の遠隔操作デモにて実証済み
東京から千葉の建機をリアルタイムで操作する動態デモを展示会「建設DX 2024」で実施しました。
サイレックスが構築したWi-Fi 環境内に遠隔操作対応重機を配備し、公衆回線経由で遠隔地からの重機操作を実現しています。詳しい内容については、建設DXレポートをご覧ください。
◆ 関連情報
2024年4月4日 日立建機協創リリース
「ビジネスパートナーと協創し、油圧ショベル向け遠隔操作ソリューションを開発」
関連資料
関連製品
CANと映像の無線化
建設・農業の現場では、車両や機械の制御に用いられるCAN(Controller Area Network)信号と作業状況を把握するため車載カメラからの映像データをリアルタイムかつ安定して無線伝転送することが求められています。稼働中の車両のリモートモニタリングや遠隔操作、各種設定が可能となり、現場作業や保守の効率を大幅に改善できます。
車輌走行情報(CANデータ)の無線化
CANデータを無線LAN経由でリアルタイムにパソコンやタブレットへ転送することで、 稼働中の車両のリモートモニタリングや各種設定が可能になります。サイレックスは、CANデータをIPに変換し無線転送することができます。サイレックスのCAN・無線ブリッジは、データサイズや通信の仕組みの異なるCANとIP通信をインテリジェントに変換する機能を標準でサポートしているため、車両側の既存CAN通信やECU(Electronic Control Unit)をそのまま利用できます※1。
※1 無線通信が切れた場合の安全制御は、車両側で対応・実現されています。
- 遠隔監視:建機/農機のCANデータを無線転送し、リモート操作と安全監視を実現
- モニタリング:稼働ログ分析で故障を未然に防止
- 配置自由:動作温度、防水防塵、耐振動の筐体設計
車載カメラによる走行映像の無線転送
建機やトラクターの走行情報を『人が』常時監視するためには、CANデータやセンサ情報だけでは不十分です。複数の車載カメラを用いて周辺映像を転送、車両稼働・センサ情報と合わせてリアルタイムにモニタリングすることで遠隔操作が可能になります。サイレックスでは、CANデータだけでなく、一般的な最大4つの車載カメラ(NTSC)映像をワイヤレスで転送できる製品をご用意しています。
- CAN データの無線転送
- 最大4つのカメラが接続可能
- 複数の車載カメラ映像を1つにまとめて無線で転送
- IP67レベルの防塵・防水性を確保
- 動作温度も-30℃~65℃を実現
- アンテナだけを延長取り付けすることも可能
取付ヒント
操縦席(キャブ)内に取り付けた場合、車両ボディそのものが無線通信の障害物となり通信距離の低下が生じるため、無線装置はなるべくキャブのルーフ上に取り付けることが推奨しています。
タブレットアプリケーションの提供
ロボットトラクターは様々な技術・デバイスを組み合わせて実現されていますが、農業作業者にとって最も重要なものの一つに『車両監視・操作端末アプリケーション』が挙げられます。このアプリケーションは各農機メーカのロボットトラクター固有の機能を基に、個別に開発されます。
サイレックスではこれらタブレットPCアプリケーションの受託開発も行っていますが、各農機メーカが自社開発もできるようCAN・映像アプリ開発用SDKをプログラムサンプルコードとセット提供しています。これらを活用することで、農機メーカはトラクターおよび周辺装置の開発に注力することができます。
海外対応
ロボットトラクターのニーズは日本国内のみならず、米国をはじめとした、より大規模・集約された農業を展開している海外各国にも存在します。サイレックスでは、無線LAN端末の開発・製造に限らず、これら海外各国の無線認可の代行・取得サポート業務も提供しています。ロボットトラクターの海外展開に合わせ、国内外共通で利用できるCAN・映像ブリッジ用端末として安心して採用頂けます。
関連製品
広がるWi-Fi空間で、現場を変革
建設・農業の現場では、作業エリアが広範囲にわたるため、機械や作業者間の通信エリアを柔軟に拡張することが重要です。また、データの種類によって異なる通信速度や距離も求められます。
サイレックスは、高速通信が得意なWi-Fi 6と長距離通信に強いWi-Fi HaLowTM(802.11ah)の2つの無線規格を活用した無線ソリューションを提供します。
Wi-Fiの使い分けが鍵:現場業務に最適な通信環境
サイレックスは、現場の状況や用途に合わせて、2つの無線規格を提案します。
高速・安定通信が得意な「Wi-Fi 6」
例えば建機の遠隔操作には、高解像度のカメラ、操作のリアルタイム性、高速かつ安定した通信が必要です。最新のWi-Fi 6技術を採用することで、現場全体に安定したWi-Fi空間を広げ、建機や作業者の通信を途切れさせない環境を実現します。
現場での通信課題例
- 広範囲なエリアに無線拡張したい
- 移動する建機との通信が途切れる
- 現場の映像やデータをリアルタイムで管理したい
活用シナリオ
- 遠隔操作に必要な大容量かつ安定したリアルタイム通信
- トンネルや道路上のWi-Fiエリア拡張
- 監視カメラやタブレット端末との接続
- 仮設事務所と現場作業エリアの通信を広範囲で確保
- インターネット回線の先へ Wi-Fi エリア拡張
長距離通信に強い「Wi-Fi HaLow™(802.11ah)」
Wi-Fi HaLowは、920MHz帯の電波を使用し、最大1kmの長距離通信を実現します。低消費電力で障害物の多い環境でも電波が届きやすいため、広範囲の現場やセンサデータの通信に最適です。
主な特長
- 1台のアクセスポイントとワイヤレスブリッジで最大1kmの通信範囲
通常のWi-Fi(2.4GHz/5GHz/6GHz帯)ではカバーできないエリアも、Wi-Fi HaLowなら、1台のアクセスポイント(親機)とワイヤレスブリッジ(子機)で広範囲をカバーします。
- 省電力通信で、センサやIoT機器の運用に最適
バッテリー駆動のデバイスでも、長時間の運用が可能です。
活用シナリオ
- 防犯/監視:Wi-FiやEthernetが届かない場所へWi-Fiカメラを設置
- 測量業務 :Wi-Fiを搭載した測量装置からの長距離データ伝送
- 装置監視 :Wi-Fi搭載のテレメトリ機器からの長距離データ伝送
- 施設管理 :タブレットから管理データを長距離でリアルタイム送信
- Wi-Fiが不安定:アクセスポイントを設置することが困難な場所をカバー
- 電波が届かない:LTEが届かない環境でデータ通信を一定期間だけ実現したい
関連資料
-
サーマルカメラと長距離無線通信で実現するスマート保安