Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)

Wi-Fi 6とは

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Wi-Fi 6対応の機器をご覧になられましたでしょうか。次世代がそこまで近づいて参りました。Wi-Fi 6とはどのようなものなのでしょうか?Wi-Fi 6の特長や言葉ついて、少し掘り下げてみましょう。

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Wi-Fi 6とは

IEEE(米国電気電子学会)が無線LANの規格を決めています。この中の一つに、規格「IEEE 802.11ax」があります。そして、無線LAN自体を広めていこうとする団体「Wi-Fi Alliance」にて、IEEE 802.11axを用いた通信は、次世代として「Wi-Fi 6」という呼称が決められました。元々、Wi-Fiには世代の数字は有りませんでしたが、第6世代を決めたことにより、11acを「Wi-Fi 5」に、11nを「Wi-Fi 4」と呼ぶことになりました。

IEEE(米国電気電子学会)とは

IEEEは「Institute of Electrical and Electronics Engineers」の頭文字を取った略称で、米国の電気・電子から通信や情報技術に関する学会であり、標準化も行っております。1963年にニューヨークに設立されました。

Wi-Fi 6の特長は

高速大容量 理論値最大9.6Gbps(Wi-Fi5の約1.5倍)、セキュリティ向上(WPA3採用)、低消費電力化(TWT機能追加)、同時接続台数増に向け効率向上 (OFDMAとMU-MIMOと一度に扱える情報量が4倍で、同時接続台数を最大8台に倍増)が挙げられ、従来では高速大容量化を目指していましたが、IoTの時代に向け、効率良く接続することに着目されています。これらの効果は、民生機器向けだけでなく、色々なビジネスでも期待されています。

これまでの技術

携帯電話の3G(第三世代)以降、目覚ましく発展した技術です。2000年代から次々と規格が制定され進化しています。

規格名 周波数帯 最大通信速度
IEEE 802.11a 5GHz帯 54Mbps
IEEE 802.11b 2.4GHz帯 11Mbps
IEEE 802.11g 2.4GHz帯 54Mbps
IEEE 802.11n 2.4GHz帯
5GHz帯
両方の帯域で600Mbps
IEEE 802.11ac 5GHz帯 6.9Gbps
IEEE 802.11ax 2.4GHz帯
5GHz帯
両方の帯域で9.6Gbps

Wi-Fi 6に導入される新しい技術

多方面にて様々な技術が取り込まれます。

OFDMA (Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)

OFDMAは、直交周波数分割多元接続と呼ばれる無線通信方式の一つです。この直交周波数分割多重(OFDM)というデジタル変調技術で、これまでもWi-Fiや携帯電話で利用されています。無線通信で利用可能な周波数帯を、チャネルという小さい周波数帯に分割し、サブキャリアというデータを搬送する部分をたくさん並べ、直交振幅変調(QAM変調)を行います。このQAM数が、256から1024の4倍となり、高密度な変調できることとなりました。MU-MIMO (Multi-User Multiple Input Multiple Output)チャネルという小さい周波数帯の利用方法が変わりました。11acでは、ダウンリンクのみ4台のデバイスで利用可能でしたが、今回、ダウンリンクもアップリンクも8台のデバイスで利用することが可能となりました。IoTの時代に合わせて、アップリンクも効率よく通信するためでしょう。

TWT (Target Wake Time)

各デバイスの通信する時間(起きている時間)と通信しない時間(Sleepの時間)を制御することで、AP(アクセスポイント)やデバイスの通信しない時間に、省電力化が計れます。

BSS Coloring (Basic Service Set Coloring)

Wi-Fiにおけるネットワークに、48bitの識別IDがあります。通常、AP(アクセスポイント)のMACアドレスと同じです。このBSSIDをグルーピングし、通信する対象を減らすことで、電波干渉を減らしたり、効率よく転送ができるような仕組みです。

Wi-Fi 6がもたらす世の中とは

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Wi-Fi 6は、我々の社会をどのように変えていくのでしょう。
我々の身近にあるWi-Fiだからこそ、期待も大きいのではないでしょうか?
目指している社会を簡単に解説します。

Wi-Fi 6を利用すると何が良くなるのか

従来では、街中のホットスポットなどで、電波のアンテナが経っているのに繋がらないという世界から必要な時にいつでも繋がるに変わっていきます。
Wi-Fi 6の特長としては、電波を飛ばすための許可が不要であること。多数同時接続での繋がり易さと省電力とセキュリティです。高速大容量・低遅延も向上しています。

従来では、困難とされていた端末数を扱えるようになり、夢としていたシステムの実現が加速され、多くのサービスやビジネスで期待されています。
身の回りでも、ルータやスマートフォンでもWi-Fi 6対応が増えてきています。従来のWi-Fi5が順次置き換わっていきます。

サイレックスでも、便利で快適な社会に貢献しできるよう、色々な製品を展開して参ります。

Wi-Fi 6は多くの分野で期待されています。精度や緻密さだけでなくリアルタイム性も向上します。利用想定例です。

  • 医療分野 患者情報のMR投影、検査結果の画像共有
  • 製造・建築分野 屋内無人搬送車(AGV) 、工場ラインの自動化、電子工作機器管理
  • ロボット産業 多くのアクチュエータの同期制御
  • エンターテイメント 自宅で様々な楽しみ方 仮想体験、ゲーム
  • セキュリティ 監視カメラ

Wi-Fi 6は快適な通信と信頼性をもたらします

Wi-Fi 6は、通信の安定性や省電力化により、リアルタイム性が向上し快適さが提供されます。
これらは身の回りで、徐々に増えていきます。

サイレックスでも、Wi-Fi 6の技術を活用し、新しい社会に向けて、様々な提案を行って参ります。

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