Wi-Fi 6テクノロジー搭載の無線LANコンボモジュール「SX-PCEAXシリーズ」を発表医療・産業用IoTの通信安定性、省電力、高速化を実現
ワイヤレス・テクノロジーのグローバルリーダーであるサイレックス・テクノロジー株式会社(本社:京都府精華町、代表取締役社長:三浦 暢彦、以下 サイレックス)は、無線LANの最新規格である IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E※1)とサイレックスの独自機能を搭載する無線LANコンボモジュール「SX-PCEAXシリーズ」を発表しました。最新規格 Wi-Fi 6の通信効率と安定性、省電力、高速化により、電波環境がシビアな工場や倉庫、医療現場などで利用される無人搬送車(AGV)、内視鏡、ハンディターミナルといった無線LAN搭載機器の活用がさらに広がります。2022年3月から量産出荷を開始する「SX-PCEAXシリーズ」は、M.2、Mini PCI Express、表面実装タイプの3種類で構成されます。

【SX-PCEAXの特長】
「SX-PCEAX」は、Wi-Fi 6 + Bluetooth® v5.2対応※2の無線LANコンボモジュールです。クアルコム社製QCA2066を搭載し、トライバンド(2.4GHz帯 / 5GHz帯 / 6GHz帯※1)をサポート。子機(ステーション)モードと親機(アクセスポイント)モードにも対応します。OFDMAやTWTなどWi-Fi 6ならではの機能を豊富に搭載することにより、高速通信だけでなくWi-Fi 6の様々な特長を使いこなし、システムの通信効率・安定性を高めることができるため、次世代無線LANシステムの開発に最適な無線LANモジュールです。
サイレックスは、Wi-Fi 6の安定・高速をさらにサポートするため、クアルコムのDBS(Dual Band Simultaneous)技術※3を応用したサイレックス独自機能の開発に取り組んでいます。国内で唯一認められたクアルコム認定デザインセンターのWi-Fi技術パートナーとして、サイレックスは無線LAN搭載機器開発を計画するお客様にWi-Fi/Bluetooth®接続ソリューションを提供します。※2
独自機能1:通信の冗長化
同じデータを異なる2つの周波数帯で送信することで、ノイズに強く通信断が発生しにくい機器を開発できます。より確実に無線でデータを届けたい用途や環境で有効です。
独自機能2:通信の超高速化
異なる2つの周波数帯で1つのデータを一気に送信します。Wi-Fi 6の通信速度をさらに高速化することで、超音波スキャナなどの大容量データでもストレスなく伝送します。
Wi-Fi 6の主な特長
- 同時通信を実現するOFDMA
OFDMA(直交周波数分割多元接続)は、増加するデータ通信量に対応し安定通信を実現する技術です。複数の無線LAN機器(アクセスポイントや端末)が順番にWi-Fiチャネルを利用するのではなく、同時通信を実現します。 - スループットを向上するMU-MIMO
複数のアンテナから同時にデータを送受信し、無線通信のデータ容量を増加する技術です。Wi-Fi 6では、OFDMAとMU-MIMOを組み合わせることでデータ通信が効率化され、通信の安定性を実現します。 - 電力消費を抑制するTWT
ターゲットウェイクタイム(TWT)は、アクセスポイントと機器間で通信を行うスケジュールを設定・共有し、スケジュールされた期間のみ稼働を可能にすることで省電力化につなげます。
想定されるユースケース
「SX-PCEAX」仕様
型番 | SX-PCEAX-M2 (M.2 Card type 2230-S3-E) |
SX-PCEAX-HMC (Half Mini PCI Express Card) |
SX-PCEAX-SMT (M.2 LGA Type 1418表面実装タイプ) |
---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
|
チップセット | クアルコム社製QCA2066 | ||
ホストインタフェース | 無線LAN:PCI Express Bluetooth®:USB 1.1 |
||
無線LAN仕様 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (2x2) | ||
Bluetooth®仕様 | Bluetooth® v5.2※2 | ||
アンテナ端子 | MHF4コネクタ:2個 | ||
動作環境条件 | 温度条件:-20℃~65℃ 湿度条件:5~85%RH(結露無きこと) |
||
外形寸法 | 22.0×30.0×2.70mm | 29.85×26.65×2.90mm | 14.0×18.0×1.90mm |
無線認証 | 日本、アメリカ、カナダ、欧州(英国) |
※ 仕様は、改良のため予告なく変更することがあります。
※1 日本国内では、無線LAN向けに2.4GHz帯、5GHz帯の使用が認められていますが、6GHz帯に関してはまだ認められていません。海外では、米国や韓国など一部の国で6GHz帯の使用が可能になっています。
※2 無線認証取得およびBluetooth®対応予定です。
※3 DBSとは、1つのチップセットで異なる2つの周波数帯を同時に使用することを可能にする技術です。
サイレックス・テクノロジーについて
サイレックス・テクノロジー株式会社(本社:京都府精華町)は、機器をネットワークやワイヤレスにつなげるハードウェア・ソフトウェアの技術を核とした研究開発型企業です。産業機械、医療機器、ディスプレイ機器など確実な接続性が求められる機器にもネットワークやワイヤレスのノウハウを活かした製品を提案し、ビジネスの幅を広げています。品質基準を厳格に保つため、設計・開発・生産・品質保証といった一連のプロセスを「けいはんな本社」に集約しています。海外パートナーとの連携や新市場開拓、新技術の情報収集・開発などグローバルなビジネス展開のため、北米・欧州・中国・インドに拠点を設けています。