通信環境の可視化・管理
産業現場では、機器やセンサ、作業者などが無線通信を活用してデータの送受信や制御を行っています。通信の信頼性が低下すると、作業の中断やエラーが生じ、生産性にも影響を及ぼします。また、多数の無線デバイスが同時に稼働する環境で、同じ周波数帯域を使用すると電波干渉が起こり、通信品質が低下します。どの周波数帯域が混雑しているのか、通信負荷が高いエリアはどこなのか、通信が混雑する時間帯はいつなのかを把握し、将来的に無線環境を制御することが、作業現場の業務効率や安定性、生産性、そしてセキュリティ強化に不可欠です。
無線通信環境の可視化によるメリット
電波干渉と周波数帯域の混雑を回避
通信環境の可視化により、混雑している周波数帯域を把握し、電波干渉を回避できます。
ネットワークの最適化と多種デバイスとの連携
通信負荷の高い箇所や時間帯を把握し、ネットワークの帯域幅やリソースの最適化が可能。さまざまなデバイスとの円滑な連携が実現されます。
セキュリティの強化
不正アクセスや不審な通信の検出が可能で、セキュリティが向上します。安全な通信環境を保つことも実現できます。
遠隔管理
産業現場では遠隔からネットワークの状態を把握し、必要な設定変更やトラブル対応ができる能力が求められます。実現すれば運用効率は向上し、迅速な対応が可能となります。
可視化・管理ソリューション
無線環境の監視＆解決案を提案する「AMC Cloud®」
AMC Cloud は、産業や医療現場で発生する無線LANの問題を把握し、分かりやすい解決策を提供するクラウドサービスです。本サービスにより、見えない無線通信を可視化し、無線機器に関連するトラブルを迅速に解決するだけでなく、トラブルの根本原因を解明して再発を防止し、「切れない無線空間」の創造を実現することが可能になります。
①無線環境の把握と遠隔管理
無線LANの問題を適切に解決するには、無線環境に関する情報が不可欠です。
AMC Cloudでは、以下のような各無線機器の接続状態を遠隔から把握することができます。
・ アクセスポイントは何台稼働しているのか？
・ 無線子機は稼働・通信台数はいくつあるか？
・ 無線子機は、どのアクセスポイントに接続しているのか？
②接続トラブル発生アラート
AMC Cloudでは、現場からのトラブル発生連絡に依存することなく、無線接続に関するアラート通知をメールで受信することができます。これにより、現地訪問前にトラブルの切り分けを始め、いち早く応急処置を行うことが可能です。その結果、ネットワークやシステムのダウンタイムを削減し、調査訪問するエンジニアリソースを節約することが期待できます。
③接続トラブル状況確認
AMC Cloudでは、アクセスポイントや無線子機の接続トラブルが発生する前後の接続状況を確認することができます。例えば、子機のローミング接続トラブルがある場合、どのアクセスポイントへローミングしていたかを、機器ごとや時間軸で確認できます。また、AMC Cloudと一緒に導入されるサーベイデバイス「WM-100CL」を使用することで、アクセスポイントだけでは収集できない現場の電波情報を幅広く収集することも可能です。さらに、WM-100CLは、無線LANを構築する際にも、適切な機器配置を計画するためのサイトサーベイとして活用できます。
WM-100CLが収集するデータの一例は次の通りです。
・ チャネルごとの無線使用状況
・ 機械から発生するWi-Fi以外のノイズ確認
・ 管理エリア周辺の無線電波強度の確認
④接続トラブル解決提案
接続トラブルが発生した場合、解決策はサイレックスの技術やノウハウに基づいて分析され、分かりやすい解決策が複数提案されます。急いで対応が必要な場合は一時的な対処法や応急処置を選択し、根本的な問題を解決するためにはネットワーク管理者やインフラ管理者にAMC Cloudからの解決策を共有し、相談します。これにより、システムやネットワークのダウンタイムを最小限に抑えることが目指されます。
無線LANサーベイデバイスによる
無線LAN環境の可視化
サイレックスの無線LANサーベイデバイス「ＷＭ-100CL」は、目に見えない無線通信状況を可視化する優れたデバイスです。工場や倉庫などに設置され、IEEE 802.11a/b/g/n/acの電波を測定し、無線の環境情報を収集します。収集した情報は、AMC Cloudにアップロードされ、AMC Cloud上で各場所の無線環境・機器情報が可視化できます。
WM-100CLは、無線LANのデータ収集に加え、スペクトラム・アナライザ機能も搭載しています。これにより、無線LANとそれ以外の電波の両方を監視できます。無線LANではない無線ノイズの影響で無線通信が阻害される問題の原因の切り分けが可能です。WM-100CLについて詳細は、製品ページでご確認ください。
