CAN通信無線LANコンバータ
CDS-2150
車載用途や産業機器で利用されているCAN通信を無線LANでリアルタイムに転送
働く車向け CAN/無線LANブリッジ

本製品は、車載用途を中心に産業機器でも利用されているCAN通信を無線LAN経由でリアルタイムにパソコンやタブレットへ転送するためのCAN/無線LANブリッジです。稼働中の車両のリモートモニタリングや各種設定が可能となることで、現場保守作業の効率を大幅に向上できます。
さらに、車両の稼働状況を本機内蔵のストレージに保存することができるため、異常が発生した場合の原因解析・早期復旧をスピーディーに行えます。
特長
CAN通信のIP変換 (Converter Server Mode)
車両のCAN通信をIEEE 802.11b/g/n対応無線LANに双方向に変換することで、パソコンやタブレット・スマートフォンなどのモバイル機器を使った稼働診断(※1)を可能にします。車両・産業機器搭載のモバイルモデムを利用した通信に比べ、稼働中のデータをリモートかつリアルタイム(※2)に確認できるため現場での異常動作の特定を容易に行えます。

※1 弊社サンプルアプリケーション"CAN Monitor Application"を利用、もしくはお客様のCANアプリケーションに弊社CAN/無線LAN変換モジュールを組込むことでご利用頂けます。
※2 本製品とタブレットやパソコン間における通信距離やリアルタイム通信性能は、利用環境(本製品の設置場所、利用するタブレットやパソコン種別、周辺の無線LANアクセスポイントの有無等)によって変わります。
CAN通信情報のロギング
内蔵のeMMCストレージや外部USB対応メモリ(※3)にCANデータをバイナリもしくはテキスト形式でロギングできます。ストレージ容量を使い切った場合も古いログを自動削除しロギングを継続可能なので、現場でなかなか再現しない異常の発見や、作業オペレータの操作解析などに有効活用できます。

※3 USBメモリの接続は、本製品のUSBインタフェースに別途USBケーブルを使って行います。接続中は、本製品の防塵・防水性能は低下します。また、本機能の利用にあたって、USBメモリはFAT32でフォーマットされている必要があります。
有線CAN通信の無線LANブリッジ (e-Cable Mode)
2台のCDS-2150を利用することで、有線CAN通信を無線化することができます。従来有線CANケーブルでの接続が必須だった各種計測器や産業機器などを自由に配置することが可能になります。

車載対応仕様
本製品は建機・農機など働く車で必要な動作温度、防水防塵、耐振動、車両電源など車載向け仕様(※4)を標準でサポートしています。

ココがポイント!
【CAN高速起動】
車両ロギングで必要とされる電源ONから本機の高速起動や高速ロギング開始(2.5秒)をサポート。電源投入直後からのCANログ取得を可能にします。

【ブリッジ通信の最適化】
本製品のCAN/無線変換機能はCANの最大ボーレート1Mbpsの低帯域、小サイズフレーム通信に最適化されており、広帯域な無線LAN通信でもストレスなく通信できます。

仕様
型番 | CDS-2150 |
---|---|
無線LANインタフェース | IEEE 802.11b/g/n 1Tx1R ■2.4GHz:1~11ch |
デバイスインタフェース | CAN×2(CAN2.0B Active/ISO11898 High Speed) シリアル×1(RS-422A/485) ※1 USB×1(USB2.0 Hi-Speed OTG Micro-B) ※2 デジタル入力×2(オープンコレクタもしくはGND接続) デジタル出力×1(オープンコレクタ, 最大出力電流5mA) |
LED | 本体:×4 |
動作環境条件 | 温度条件:-30~+65℃ 湿度条件:20~95%RH(結露なきこと) |
保存環境条件 | 温度条件:-40~+85℃ ※3 湿度条件:20~95%RH(結露なきこと) |
電源 | DC10~32V |
最大消費電力 | DC10~32V/0.7A (max.) |
外形寸法 | 約100 x 90 x 31.2mm(本体のみ、突起物除く) |
重量 | 約318g |
同梱物 | 本体、設置ガイド、GPLお知らせシート |
各種取得規格 | CE Class B, RoHS |
システム | CPU: NXP社 i.MX287 RAM: 64MB 内蔵ストレージ: eMMC 2GB(疑似SLC/ユーザ利用可能1.5GB) |
筐体 | 樹脂ケースおよびSUSプレート |
防塵・防水 | 防水:JIS D0203 D2準拠 防塵:JIS D0207 F2準拠 |
対応ソフトウェア | CAN Monitor Application(サンプルアプリ) |
保証期間 | 5年 ※4 |
標準価格 | OPEN |
注釈 | ※1 外部機器を制御するための機能は実装されていません。 ※2 RNDISによるCAN over USB通信およびUSBメモリ接続に対応 ※3 +65℃以上 1000 時間、+75℃以上 500 時間を超えないこと ※4 お客様車両機器に組み込んでご利用される場合、別途保証条件を設定 |
記載された社名及び製品名は各社の登録商標または商標です。
改良のため、予告なく仕様を変更することがあります。
製品構成
名前 | 備考 |
---|---|
CDS-2150 | 本体、設置マニュアル類を同梱 |
インタフェースケーブル | 別売:本機1台につき1本必要 |
開発キット(ブリッジ端末用)(※5) | 別売:開発環境、ドキュメント、サンプルコード同梱DVD |
開発キット(WindowsOS用) | 別売:開発環境、ドキュメント、サンプルコード同梱DVD |
開発キット(Android OS用) | 別売:開発環境、ドキュメント、サンプルコード同梱DVD |
※5 CDS-2150専用の組込みアプリケーション開発キットです。
外観図

ケーブルピンアサイン情報

インタフェースケーブル ピンアサイン情報
端子番号は、右図の本体側集合コネクタ(JAE製 MX23A18NF2)を参照ください。
端子 | 名称 | 機能 |
---|---|---|
1 | CAN1_H※6 | CAN1ポート |
2 | CAN1_L※6 | |
3 | SIO_GND | シリアル基準レベル |
4 | BATT | 電源入力 |
5 | KEY | 電源制御入力 |
6 | DIN1 | デジタル入力ポート |
7 | DIN2 | |
8 | RESERVED※7 | 予約ポート |
9 | DOUT | デジタル出力ポート |
10 | CAN2_H※6 | CAN2ポート |
11 | CAN2_L※6 | |
12 | TRXD_R※8 | 終端ポート |
13 | TRXD_L※8 | シリアル入出力 |
14 | TRXD_H | |
15 | TXD_L | シリアル出力 |
16 | TXD_H | |
17 | GND | 電源入力 |
18 | GND |
※6 CANの終端(推奨120Ω)はH、L間に必要に応じて作成してください。
※7 オープンとしてください。
※8 TRXD_RとTRXD_Lを接続することによりRS-485が終端処理されます。
インタフェースケーブル(別売)外観

連携ソフトウェア
開発キット(別売)
CDS-2150やGDM-3250用アプリケーションを追加するためのキットです。本開発キットを利用することで、ブリッジ端末内部にLinuxアプリケーションを組込んだり、タブレット・PC側で利用する稼働モニタリングアプリケーションを開発できます。

CAN Monitor Application
GDM-3250やCDS-2150を使って、CANデータを無線LANでモニタリングするためのWindows用サンプルアプリケーションです。
CANデータを本アプリケーションから車両側に送信することもできますので、本製品を購入後すぐにCAN/無線通信機能の評価を開始できます。

※ 本ソフトウェアは弊社製品ページから無償ダウンロードできます。
関連情報
CAN通信の無線化
産業機械、車載ネットワークなどで多く利用されているCAN情報を、無線LANに変換・配信・ロギングし、有線CAN配線を省配線化する技術。
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