Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
Wi-Fi 7を医療・産業で使用するメリットや、MLO(マルチリンク・オペレーション)、プリアンブル・パンクチャリングといった新機能の効果について解説します。
Wi-Fi 7を医療・産業で使用するメリットや、MLO(マルチリンク・オペレーション)、プリアンブル・パンクチャリングといった新機能の効果について解説します。
Wi-Fi 7は最新のWi-Fi規格であり、「Extremely High Throughput」という規格コンセプトの通り1世代前のWi-Fi 6/6Eと比較した高速性が注目されています。

この高速性を実現するために、Wi-Fi 7では以下のような能拡張が行われています。
(1)最大帯域幅が320MHz幅に拡張

(2)最大ストリーム数が16まで拡張

(3)4096QAMの高密度通信

しかしこれらは一度に多くの周波数を占有することが可能で、かつ電波干渉が少ないといった、特定の条件下で利用できる最大の性能です。
1000台以上のWi-Fi機器が同時に存在することもある産業用途ではお互いの電波が干渉しないよう、用途に合わせて使用する周波数帯を狭めたり、より通信を安定させるため変調方式が選択されるなど最適化されるため、Wi-Fi 7対応機器のすべてが上記の特長に対応しているわけではありません。
本書では、産業分野でWi-Fi導入を検討されている方に向けて、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6EとWi-Fi 7の特長を比較し、今、選択するならWi-Fi 7なのか、Wi-Fi 6/6Eなのか?それぞれの強みを活かせる用途をご紹介します。
では、医療・産業用途でWi-Fi 7を使用するメリットは何でしょうか。
近年、Wi-Fiデバイスの増加に伴い電波干渉が多く発生し、産業や医療現場における無線LANの安定性に影響を及ぼしています。Wi-Fi 7はベースの速度向上だけでなく、多台数のWi-Fi機器がより効率的に、安定通信するための機能が新たに追加され、電波干渉に強く、より高速で安定した通信を実現します。

物流倉庫ではハンディターミナルやAGVなど多くのWi-Fi機器が存在します。機器同士の電波干渉が発生しやすい環境の中、いかに通信を安定させるかが課題です。

医療現場では、バイタルデータなど大切な情報を「いかに遅延なく確実に通信するか」が課題です。

リテールでは来店客によるスマホ利用など様々な電波が飛び交うことで決済や在庫管理などに必要な業務用通信が不安定になることがあります。
基本の通信速度が向上することで、電波干渉によりデータの再送が起きた場合も一定のスループットを保てます。
サイレックスのWi-Fi 7組込み無線LANモジュール「SX-PCEBE」は2ストリームでも一般的な有線LANの最高速度1Gbpsの約1.7倍と、今後利用拡大が予想される映像や高解像度の画像通信、VR/ARなどの用途に最適なモジュールです。



※2.4GHzは40MHz幅まで対応していますが、実際に使用されることが多い20MHz幅で計測しています。
※測定結果は理想環境におけるモジュールの最高速度です。実際の通信速度は環境によって異なります。
Wi-Fi 7で最も特徴的な機能であるMLOは、複数の周波数帯(2.4GHz、5GHz、6GHz)を同時に同じ通信に使用します。たとえ一部の周波数帯で電波干渉が起きたとしても、他の周波数帯で通信を継続することができるため、通信の安定性が向上します。
「途切れてはいけない」医療シーンの生体データや、リアルタイム性が求められる通信で活用が期待されています。

サイレックスでは自社製品を使用しMLOの効果測定を行っています。MLOの仕組みや測定結果については以下のリンクからご覧ください。
Wi-Fi 7 のMLO(マルチリンク・オペレーション)を使用した場合と使用しない場合で、カメラ映像をWi-Fi通信しながら、意図的に電波干渉を発生させてその影響を比較した動画です。 従来のWi-Fiでは、電波干渉が起きると映像が遅延・停止することがありますが、果たしてMLOを使うとどうなるのでしょうか。
前編では、MLO(マルチリンク・オペレーション)の仕組みや種類、それぞれの特長について解説します。
後編では、Wi-Fi 7対応組込み無線LANモジュール「SX-PCEBE」と「SX-PCEBE-AP」を用いた測定結果や、商業施設を例にしたシステム構成の一例、モジュール搭載時の考え方をご紹介します。
<MLO測定について>
MLO使用時とそうでない時で、電波干渉が発生した際のスループットの変化を測定しました。MLOの利点である、「電波干渉時も通信途切れず継続する」ことが実現できているかどうか、数値でご確認いただけます。
プリアンブル・パンクチャリングは、使用している周波数の一部で電波干渉が起きた際も、残りの周波数を従来より多く通信に使用できるようにする機能です。システム全体の通信効率を上げて、少量のデータで狭帯域の通信を行うセンサや、大量のデータを広帯域で高速通信するスマートフォン、パソコンが共存する環境においても、それぞれのWi-Fiデバイスが安定して通信できるようになります。

実際の製品を使用したプリアンブル・パンクチャリングの効果測定結果はこちらからご覧ください。
実際の製品を使用したプリアンブル・パンクチャリングの効果測定結果はこちらからご覧ください。