工場のレイアウト変更もスムーズに!
作業検査カメラRICOH SC-20が選んだ、無線LANモジュールの理由
組込み
組込み無線LANモジュール
無線認証
工場IoT
リコーPFUコンピューティング株式会社 様
リコーPFUコンピューティング株式会社は、日本のものづくりに徹底してこだわるオンリーワンの国産コンピュータメーカです。国内シェアNo.1※の組込みコンピュータ事業、フォント事業に加え、AIの革新で拡大するエッジデバイス、エッジソリューションの提供に取り組み、お客様との共創を通じて新たな価値を創出し、社会の発展に貢献しています。
今回は、頻繁なレイアウト変更やケーブル配線の手間に悩む工場の課題を解決するため、作業検査カメラにWi-FiとBluetooth®対応の無線LANモジュールを搭載した事例と、サイレックスの組込み無線LANモジュールを採用頂けた理由についてお伺いしました。
※2025年6月時点 リコーPFUコンピューティング株式会社調べ

作業検査カメラ RICOH SC-20とは
今回サイレックスのWi-Fiモジュールをご採用頂いた「RICOH SC-20」は、「工場の手作業工程をリアルタイムチェック」をコンセプトに、製品の画像検査ではなく、「手作業そのもの」を監視し、組み立て工程における作業と品質を飛躍的に向上させる作業検査カメラです。目視検査では困難だった小型部品のチェックや取り付け方向、部品の有無などもチェックでき、高い画素数による精度の高い判定力と、カメラ本体にCPUやオペレーティングシステム、ソフトウェアを搭載したオールインワン設計が特徴です。
Wi-FiとBluetooth®は標準搭載されており、検査データの収集によるトレーサビリティ確保とケーブルレスによる配置のしやすさを実現しています。

RICOH SC-20
RICOH SC-20のWi-Fi、Bluetooth®利用シーン


サイレックスの自社工場でも活用しています
生産現場の課題
―― RICOH SC-20に無線LAN、Bluetooth®を搭載した背景を教えてください
工場では有線をできるだけ減らしたいという声が増加していますので、そのご要望にお応えした形です。生産現場ではレイアウト変更が頻繁に行われます。その時に有線だと配管まで這わせたり、ケーブルラックまで伸ばしたりと大工事になってしまいますので、ログデータなどを無線でやり取りしたいというお客様は多くいらっしゃいます。
Bluetooth®についても、配線を減らすというのが最大の目的になっています。
RICOH SC-20はカメラ自体がひとつのパソコンのようになっているので、マウスとキーボードで操作します。ただ、セル台(工場の作業台)の上はスペースが限られていて置きにくい。カメラ自体が高いところに設置されている場合は配線が邪魔になったり、長いケーブルのマウスが必要になったりします。そこで、Bluetooth®対応のマウスやキーボードを使用し、ケーブルレスで使用したいという需要がありました。
前身の製品であるRICOH SC-10AからWi-Fiは対応していましたが、Bluetooth®には対応していませんでした。当時お客様によってはRICOH SC-10AにUSBドングルを差してBluetooth®を使用できるようにし、マウスを使用されることもあったのですが、そうするとUSBポートを一つ占有してしまうこともあり、RICOH SC-20ではBluetooth®機能についても内蔵することにしました。
SX-SDMACの採用理由
――サイレックスの組込み無線LANモジュールを採用頂いた理由を教えてください
Wi-FiとBluetooth®を両方載せるにあたり、Wi-FiとBluetooth®それぞれのチップを使用すると基板が大きくなってしまうという困りごとがありました。そこでWi-FiとBluetooth®がワンチップになっている製品を探していました。
また、いくつか検討した中で一番のきっかけは無線認証取得のサポートでした。認証の作業を自分たちでするとなると大変ですので、サイレックスの認証サポートまで対応いただけるところが最大の要因です。中国の無線認証については試験機関に何週間も前からいつ試験が完了するのか問い合わせても返事が来なかったり、追加料金が必要になったりと大変でしたね。ルール変更が頻繁で独特のやり取りが必要なこともある地域別の事情もサイレックスなら知っていると思って依頼しました。そういった意味でも自分たちだけでやろうと思っても難しいと思いますので、助かりました。
最後に、無線は手ごわい印象なので無線LANドライバのポーティングなどトータルサポートも大変助かりましたね。専門家に開発委託できたことで、私たちはドライバを入れるだけで無線LANモジュールを動かすことができました。
<サイレックス製品を採用頂いた理由>
- Wi-Fi+Bluetooth®一体型のモジュールで基板サイズを最小化、カメラの小型化を実現
- 無線認証取得をサポート
- ドライバポーティングまで対応し、開発負荷を軽減
補足:組込み無線LANモジュールと無線認証
SX-SDMAC-2832S+は、日本、アメリカ、カナダ、EU、イギリスの無線認証に対応しているため、特別なアンテナを使用するなどがなければ、これらの地域で使用するためにお客様にて無線認証を取得いただく必要はありません。しかし中国の場合は「組込み無線LANモジュールを搭載した最終製品」を対象とした無線LANとBluetooth®の認証試験や書類審査が必要です。
ご対応可能な範囲は状況により変わりますが、今回の事例では無線機能に関して以下のようなサポートをご提供しました。
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認証取得までに必要な作業の確認、サポート範囲のご提案
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お客様と分担し、無線に関する書類・技術資料のご準備
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無線の試験を実施するためのツールが動作する無線LANドライバをご準備
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試験中の質問対応など無線認証取得に必要なやりとりなど

市場のフィードバック
――RICOH SC-20リリース後の市場の様子について教えてください
Wi-Fi対応を前提に採用頂くケースもあり、配線の削減、レイアウト変更のしやすさといった面でWi-Fiはありがたいという言葉をいただいている状況です。今後も基本はWi-Fiを載せていくのが良いと思っています。かつては機密データを扱うことからセキュリティ面に課題があるのでは、と工場で無線を使うことに不安の声もありましたが、今では無線の方のセキュリティ対策も向上してきていることもあり、逆に必要とされるようになってきました。
進化し続ける、RICOH SC-20
――RICOH SC-20の今後の展望を教えてください
RICOH SC-20はテキストだけでなく画像でも記録を残せるというのが一つの特長なのですが、NGになった瞬間の画像を取っておくことによって、今後の改善のためのエビデンスとして利用されますし、製品が流通したとしても後から画像をチェックできるためトレーサビリティの向上にも有効です。集積したログについて、現時点ではお客様ごとに活用いただいていますが、将来的にはこちらから改善のご提案ができたり、集めたデータをユーザにもっとわかりやすくお伝えできたりするような仕組みを作ることに力を入れていこうと考えています。将来的な商品展開を考えた時に、Wi-Fiやデータを活用することの導入障壁が下がってくると嬉しいなと思っています。

「 今だとデータを残すだけになっていますが、解析や分析がしやすいように可視化してお客様に知っていただくことによって、もっとデータの活用を取り入れていただきやすくなってほしいと考えています。」
リコーPFUコンピューティング株式会社
事業本部 エッジ戦略統括部 エッジ営業部 国内営業グループ 小屋 峻征 様
そうなると、AIも必要になってきます。ただ、便利な一面もありますが実際AIで何が行われているかはブラックボックスの部分もあって、ユーザの不安は残っている印象です。弊社のAIは組み立てに特化しているところがあって、ねじがあるかないか、コンデンサーの向きといった機能に絞ってRICOH SC-20にも一部導入しています。AIに関しては専門部隊と連携していましたが、ねじの種類だけでもたくさんあるので学習させるのは大変でした。今後も新しい特徴を持ったものなどが市場に出てくる場合はアップデートしていく必要もありますね。
「 製品のリリース後であっても、お客様の声を頂いてより良いものにするためにアップデートしていくというのが一番のこだわりです。」
リコーPFUコンピューティング株式会社
ソフトウェア開発室 ソリューション開発グループ・担当 木梨 佑哉 様
製品のリリース後もほぼ毎週、営業部門、企画部門、開発部門が打ち合わせを実施し、ユーザの課題やニーズを共有、進め方や優先順位を検討しながら改善を続けています。2025年秋には小型でより配置しやすいサブカメラオプションも追加されました。将来の拡張や供給性も含めて緻密に計画された製品設計と、活発な議論ができるプロジェクト体制でRICOH SC-20は今後もますます進化していきます。

編集後記
今後もますます進化を続けるRICOH SC-20。例えばAI機能ひとつであっても、正確性を担保するために膨大な学習作業を繰り返したり、ますます変化していく市場ニーズに対応するため常に新しい機能を開発し続けたりと、使用する側からは想像がつかない開発の苦労があるとのこと。しかし、リコーPFUコンピューティングの皆様は、「大変な開発作業をやりきれるモチベーションは結局のところ、お客様の声に尽きます。何かを解決してほしいという声を頂いて、解決したい!と思うことが原動力になっています。」と常に前向きにお話しされていたことが印象的でした。
サイレックスもネットワーク通信という面からその進化をサポートし続け、伴走させていただく決意です。

リコーPFUコンピューティング株式会社の皆様、ありがとうございました!