自動機の稼働ロギングを支援
工場 遠隔監視 運用管理向上
ダイキンファインテック株式会社 様
ダイキンファインテック株式会社様は、奈良県大和郡山市に本社を置くフッ素樹脂成形品および半導体洗浄装置の製造・販売をされているメーカ様となります。
新規導入された自動機の稼働状況取得・モニタリングを行うための機器として、サイレックス社製「マルチカメラドライブレコーダ RM-100RC」をご採用頂きました。
ご採用頂きました経緯について、ダイキンファインテック株式会社様へ伺い、お話をお聞きしました。
お客様(エンドユーザ)の困りごと
森本:私の所属する設備改善グループでは生産設備の自動化に取り組んでおり、生産性の向上と省人化を実現する部門です。
今回は熱成型ラインへの自動機導入だったのですが、装置のトラブル時にすぐに復旧できなければ、生産停止だけでなく安全面でのリスクもある現場でした。そのため「トラブル発生時の連絡」「現場の状況確認」「再発防止対策」を迅速に出来る環境が必要と考え、クラウドカメラによる録画と、装置の異常信号を検知してメール通知を行う、IoTの仕組みを構築しました。
しかし、実際に自動機の運用を始めると、初めての機構を搭載した事もありトラブルが多発しました。

ダイキンファインテック株式会社 機能樹脂事業部
設備改善グループ 森本 知志様(左)
製造・TS第一グループ 成形加工チーム 中川 喬文様(右)
装置メーカ様にも対応をいただいていましたが、[問い合わせ→動作確認→原因特定→修正対応]という一連のプロセスを踏むため、問題解決までの時間がネックになっていました。
また、当初設置していたクラウドカメラでは、画質の都合上、装置の詳細箇所までは撮影できず、原因特定に繋げにくい点も課題でした。
「RM-100RC」導入のきっかけと期待
そんな中、展示会で「RM-100RC」をご紹介いただき、「ネットワーク経由でトリガの引けるドラレコシステム」「後付け可能な4つの高画質PoEカメラ」という点に大きな魅力を感じました。
装置の異常信号をネットワーク経由で送ればトラブル発生前後の映像が残り、問題の早期解決に活かせるのではないか?と考えたからです。
導入後には予想以上の効果があり、「映像が無ければ分からなかった」と実感した事態も発生しました。
改善事例①
“意図しない停止”の原因特定
中川:ある夜間、装置が突然停止したとの連絡が作業員から入りました。しかし、異常信号の記録や装置本体側の異常は発生していない状態でした。
原因を確認するため、常時録画映像をさかのぼって確認したところ、作業員が装置を確認していた際、不意に停止ボタンを押していたことが判明しました。
作業員にはその自覚はまったくなく、「急に装置が停止した」「なぜ止まったのか分からない」という状況になっていたのです。
製造現場では安全がなによりも優先されます。停止した原因が不明なままに装置を再始動させることはできません。もし録画映像がなかったら装置側の不具合を疑い続け、貴重な時間を無駄にしていた可能性が高かったと感じています。
改善事例②
“トラブル原因” を映像から解析、改善に成功
森本:導入当初から、とある機構部によるエラーが週に1回、多いときには毎日のように発生していました。
装置メーカ様にも相談をしていましたが、なかなか原因が特定できず、解決に時間を要していました。
そこで、録画映像から正常時と異常時の映像を比較・分析し、原因の仮説を立てて検証を行いました。映像から得られたヒントをもとに、ある部品のサイズを変更してみたところ、これが見事に効果を発揮しました。
中川:この改善以降、1か月以上経ちますが同様の問題は発生していません。ログだけでは分からなかった細かな動作や挙動の違いも、録画があれば捉えることができます。
また、こうした映像は装置メーカへの問い合わせ時や、トレーサビリティの観点からも非常に有効だと感じました。
設置イメージ