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事業報告

株主・投資家の皆様へ ― 代表執行役社長メッセージ

代表執行役社長 河野剛士、海外事業責任者 デヴィッド スミス

製品構造の転換を着実に推進し、Connectivity & Wirelessを軸とした再成長に取り組んでまいります。

株主の皆様からの日頃のご支援に心より感謝申し上げます。
第38期の事業報告にあたり、当期業績が最終赤字となり、株主の皆様からのご期待にお応え出来なかったことに関し、経営陣を代表し深くお詫び申し上げます。
ここ数年取り組んできた製品構造の転換に一定の成果があらわれ始め、ようやく再成長への基盤が固まりつつあります。2011年は製品構造転換を完成させ、収益力の回復に取り組んでまいりますので、一層のご支援をお願いいたします。

厳しい事業環境の中、戦略的新分野が成長。
売上は増収に転じました。

当社が属する電機・IT業界においては、世界的な景気減速から持ち直しの動きが出てきており、新興国向けを中心に輸出が活発になってきました。一方で2010年後半の急速な円高が輸出環境に悪影響を与えており、当社のお客様でも設備投資や開発予算を抑制する傾向は大きくは改善していません。
こうした事業環境の中、当社はここ数年取り組んできた製品構造の転換を進め、いくつかの戦略的新分野では大きな成長を実現しました。この結果、連結売上は増収に転じ、回復基調が鮮明になってきました。利益面ではいまだ営業赤字が残りますが、人件費などの経費圧縮やここ数年で取り組んできた資産リストラの効果で大幅に損益が改善しました。
利益計画未達の主要因は、活発な開発受注を受けて無線認証取得費用やエンジニアの人件費、外注費が増加したこと、円高に伴う輸出収益の悪化、不動在庫の早期処理などです。

プリントサーバへの依存度が大きく低下。
成長を牽引したワイヤレス関連製品。

製品別の売上では製品構造転換の成果が概ね計画通りあらわれてきました。期初に設定した3つの戦略的新分野がいずれも計画通り成長し、経営課題であった、プリントサーバの売上減少を補う構造が出来てきました。
特に、近年力を入れてきた無線LAN関連製品では、米国の複数医療機器メーカに小型省電力のモジュール製品(SDIO)の採用が決まり、国内でもプリンタやFA機器、ハンディターミナルなどへの量産展開が進んでいます。無線LAN関連製品の売上は前年比294%の成長を遂げ、全体に占める比率も18%にまで引き上げました。
USBデバイスサーバ関連製品でも、「USB Virtual Link」ソフトウェアがブロードバンドルータメーカに採用が進み、さらに、クラウド対応デバイスサーバがNTTの新サービスに採用されるなど、次世代のネットワーク環境における成長が期待される製品になってきました。

製品分野別売上高比率の推移

2010 年は多くの影響力ある事例を積み上げ。
卓越した顧客対応力を成長の源泉に。

無線LAN関連製品、USBデバイスサーバ以外にも、成長著しいデジタルサイネージ市場向けに成功しつつあるAV(オーディオビジュアル)ネットワーク製品や、ICカードを利用した認証印刷、ハードウェア設計や生産のノウハウを活かして高品質な特注製品を提供するDMS事業など、いずれも成長が期待される分野に育ってきました。
こうしたビジネスの成長を通じて、様々な環境下で安定的かつ実証された製品やサービスを提供する当社の粘り強い顧客対応力が次第に市場で評価され始めているという手ごたえを感じています。この成長の流れを確かなものにするために、常に環境の変化を先取りした社内体制を整備しながら、仕事のプロセスの質とスピードを高め、全社的なお客様への対応能力を更に磨き、キメの細かい迅速な提案をやり続け、信頼と信用を着実に拡大してゆくことが極めて大切な事と認識しています。

新技術や新製品開発投資を継続し、
業績の回復を確実なものに。

新しいお客様や市場を意欲的に開拓するために、新技術や製品開発投資を継続する計画です。USBデバイスサーバの分野では、市場成長を当社が牽引し、コア技術「USB Virtual Link Technology」の優位性を確立していきます。ワイヤレス関連製品では、当面は「Wi-Fi」を軸に無線関連技術の深化を図り、安定性・接続性・便宜性のいずれにおいても市場やお客様の満足を得る差別化を進めてゆきます。
これらの取り組みが、できるだけ早く具体的な収益に貢献し、株主の皆様のご期待にお応えするよう、全社挙げて努力を重ねてまいります。こうした環境の中、中長期的な業績推移に連動し株主還元を行う当社方針は変わりませんが、財務体質の一層の強化と、業績回復を更に確実なものとするため、当期の配当につきましては、誠に遺憾ではございますが、見送らせて頂く事になりました。何卒ご理解賜り、今後ともご支援頂きます様、重ねてお願い申し上げます。

代表執行役社長 河野 剛士

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